前回の考え方編を踏まえつつ、今回は準備編に入っていきます。
制作時に必要となる機材など、筆者の経験を交えながらざっくり必要最低限でご紹介します。機材の詳しい説明やレビューを知りたい場合などは他のサイトを参考するようにしてください。
目次
はじめに
機材について、予算に余裕がある場合を除けば、いきなりハイスペックなものを購入する必要はありません。無理なく手の届く価格のものからで十分です。駆け出しの頃は何にお金をかけるべきか、またかけるべきでないかの判断が十分にできないためです。
まずは今使っている機材や初心者向けのものを使ってみてください。実力がついてくると使用しているうちに不足や不満を感じるようになると思います。その時に良いものを購入するようにしましょう。
結論から
いずれもはじめから必須となります(一部を除く)。
購入はセール情報を調べてからするようにしましょう。
- パソコン
- オーディオインターフェイス
- イヤホンorヘッドホン
- 音楽制作ソフト(DAW)
- 初音ミクなどのボーカル音源ソフト
- ソフト音源
- MIDIキーボード
パソコン
はじめから必須です。
基本的にはデスクトップパソコンをおすすめしますが、出先で制作することが多いならノートパソコンをおすすめします。なお、コストパフォーマンスに関しては、デスクトップパソコンの方が高いです。
OSについては、使い慣れているものがあればそれと同じもので良いと思います。特別こだわりがなければWindowsをおすすめします。
筆者は、これまで使っていたWindowsのデスクトップパソコンを使用しました。スペック高めのものを購入していたこともあり、困ることもありませんでした。
現在も同じパソコンを使用しています。
オーディオインターフェイス
はじめから必須です。
使用せずに制作する人もごく稀にいますが、導入することで音をよりフラットに、かつ高い解像度で聴くことが出来るため、使用した方が良いでしょう。
初心者向けの定番のものをおすすめします。音楽制作ソフト(DAW)が付属しているものを購入すれば、コストを抑えつつ、すぐに制作を始めることができます。
筆者は、初心者向けか定番かも分からないまま、DAWが付属しているものを購入しました。ネット通販ではなく楽器屋で購入しているというのも今思えば謎なのですが、そのお店でリーズナブルかつDAWの中でも後述するCubaseの付属しているものという条件で探した時に、これ一択という状況でした。
使用感としては初心者向けでしたが、定番ではなかったようで、設定や操作方法をネットで調べようとしても欲しい情報を得ることができず、結局これが手放すきっかけとなりました。
現在は、別のオーディオインターフェイスを使用しています。
イヤホンorヘッドホン
はじめから必須です。
定番を購入しておけば間違いありません。状況に応じて複数を使い分けることもあります。
これまではフラットに聴こえる高性能な定番ヘッドホンで制作を進めていくのが一般的でしたが、近年はリスナーの試聴環境の再現を重視して制作を進めていくことも増えました。国内にはiPhoneユーザーが多いため、EarPodsなどを使用して制作を進めることで、リスナーの試聴環境とのズレを防ぐことができます。
筆者は、定番ヘッドホンを購入し、それのみを使用していました。
現在は、上述した流れもあって、大部分をEarPods、要所要所でそのヘッドホンというように併用しています。
音楽制作ソフト(DAW)
はじめから必須です。
OSがWindowsならCubase、MacならLogic Proをおすすめします。DAWは設定方法や使用方法などがやや難解で、つまづくことも度々あるものなのですが、利用者が多いこれらのDAWを選んでいると、いつか疑問が生じた時に、ネット検索によって解決できる可能性が高まるからです。
筆者は、オーディオインターフェイスに付属していたCubase AIを使用していました。
現在は、Cubase Proを使用しています。
初音ミクなどのボーカル音源ソフト
はじめから必須です。
ボカロPとしては、これがないと始まりません。初音ミクの他にも様々なボーカロイドがいます。楽曲によってボーカロイドを使い分けたり、一曲を複数のボーカロイドで歌わせる、といった使い方もよく見られます。
筆者は、まず定番ということで初音ミクを購入しました。
現在も同じものを使用しています。
ソフト音源
はじめは不要です。制作を進める中で必要性を感じた際に導入することをおすすめします。
DAWにはピアノやドラムなどの付属音源が内蔵されているため、DAWだけでも楽曲制作は可能ですが、別途ソフト音源を導入することでよりリアルなサウンドだったり、あるいは内蔵されていないサウンドを鳴らすことができます。有償・無償、どちらもあります。
はじめのうちから色々導入する必要はありません。まずは、内蔵されている音源で制作を進めてみて、その中でよりリアルなサウンドを求めたい、鳴らしたいサウンドがない、と思った時に導入を検討しましょう。
筆者は、制作を進める中でまずドラム音源とベース音源を購入しました。
現在は、その他ピアノ音源やギター音源、ストリングス音源などひと通りを購入しています。有償をメインに、適宜無償のものも使用しています。
MIDIキーボード
はじめからあった方が便利です。
パソコンやオーディオインターフェイスにのUSB接続して使用する電子キーボードのようなものになります。打鍵するとDAWの内蔵音源やソフト音源の音を出したり、入力したりすることができます。これはパソコンのマウスやキーボードからでも可能ですが、MIDIキーボードがあると入力がぐっと楽になります。とりわけ鍵盤楽器が弾ける人にとっては大きな武器になります。
また、わざわざ新しいものを購入しなくても、USB接続できる電子キーボードなどが家にあればそれを使用できる可能性があるので、試してみることをおすすめします。
筆者は、電子キーボード(61鍵)を購入しました。MIDIキーボードより本体サイズは大きくなってしまいますが、USB接続せずに単体で電池駆動させられることと安価だったことが主な理由です。
現在は、MIDIキーボード(25鍵)を使用しています。
購入する前に必ずセール情報を確認する
機材などを揃えて楽曲制作することをDTMといいます。このDTM界隈には特定の時期におけるセールがつきもので、中でも秋にあるブラックフライデーは最たるものです。70%オフや99%オフなどもザラです。
機材は高額なものが多いですから、購入を検討する際は、現在セールをやっているか、過去にセールはあったのか、なども必ず調べて、納得のうえで購入することをおすすめします。
安く購入するためにセールを待つか、時間を無駄にしないために定価でも今すぐ購入するかは人それぞれです。悔いのない選択をしましょう。
筆者は、セールを待って購入することが多いですが、定価とオフ後の価格にあまり差がなかったり、楽曲の制作に支障が出るほどセールが先のようであれば、セールを待たずに購入してしまいます。時間をとるかお金をとるかは、その時々によって変わります。
終わりに
調べ出すとキリがない分野でもあるので、あまり沼にハマらないようにしましょう。
ボカロPの本分はあくまで楽曲制作です。制作時間を削ってまで機材を探したり、必要以上に出費をするようなことは本末転倒ですから控えましょう。
ボカロPは料理人、機材は食材や調理道具のようなものだと思います。
レシピを考えたり料理する時間を削ってまで食材や調理道具にこだわるのではなく、まずは手持ちの食材でレシピを考えてみて、不足するものがあれば手の届く範囲で手早く揃えて、そこからどんどん料理を作っていくことが大切だと思います。より良い食材や調理道具の調達は料理作りと並行して進めることをおすすめします。
準備は素早く終えて、次はいよいよ制作に入っていきましょう。